のり子日記

新エネルギー政策
?都民投票条例案についてのご報告?

◆原発の是非問う都民投票

6月20日、原発稼働の是非を問う都民投票条例案が都議会本会議で採決されました。
市民グループ「みんなで決めよう『原発』国民投票」が署名32万筆を集めて直接請求した議案で、その結果に注目が集まりました。

選挙で代表者を選ぶ「間接民主制」とともに、個々の重大問題について主権者である国民自身が判断する「直接民主制」は、民主主義をささえる重要なシステムです。今の日本は国民投票、住民投票で意思決定する機会がほとんどなく、そのシステムがうまく機能しているとはいえません。だからこそ、今回の原発問題をめぐり、市民グループが国民投票・住民投票の実現を呼び掛け、運動が大きな広がりを見せていることには深い意義を感じています。

ただ、今回の都民投票条例案については、その内容に多くの課題がありました。
  1. 原発稼働の是非は国が責任をもって判断すべき
  2. 立地地域やその住民の多岐にわたる問題を考慮すべき
  3. 投票資格に疑義がある
  4. 地方自治法に抵触する規定がある
などです。

◆結果が反映されるのなら

本会議での採決に先立ち、18日の総務委員会で民主党と生活者ネットが共同修正案を提出。公明党は前夜まで会派としての態度を保留し、議論を続けてきました。しかし、修正案もやはり根本的な課題をクリアしていなかったため、自民・公明は否決しました。わたしも総務委員会委員として、この採決に参加しました。
20日の本会議も、反対82賛成41の反対多数で否決に。自民・公明とともに、民主党からも14人が反対に回りました。

原発の稼働について「賛成」か「反対」か二者択一で問う都民投票。かりに「反対」が多数になっても、「即時廃止」なのか、それとも「順次廃止」なのかも不明確。多様な都民の意思を表現できません。何より最大の課題は、投票結果が国に対して何の影響力も拘束力も持たない点です。

「意思表示をすること自体に意味がある」という考え方もあるかもしれません。しかし、都民投票の実施には、約50億円の費用がかかります。直接民主制の意義からも投票結果によって政策の可否を決定できなければ、いったい何のための投票でしょうか。アンケート調査と大差のない結末になりかねません。

今回の条例案の否決について、32万筆の署名に込められた都民の思いを踏みにじるのか、といった論調で語られることを、とても残念に思います。原発の是非について「声をあげたい」との切なる気持ちは痛いほど分かり、だからこそ反映をしたいと思っています。

一方で、「原発は廃止すべき」との多くの声は野田政権に届いて、ひとたびは「原発ゼロ」目標が新エネルギー政策に盛り込まれました。ところが土壇場で閣議決定をせず、あいまい決着を図ろうとしています。こうした国の姿勢を見るにつけ、都民投票を行っても、その結果が反映されることは期待できません。

◆市民グループ報告会に参加

都民投票条例案の実現をめざした市民グループの報告会が8月1日、北沢タウンホールで行われました。6人の都議会議員が出席したのですが、条例案に賛成した民主党から3人、共産党、生活者ネットから各1人、反対した会派からは栗林のり子ひとりだけ。冒頭から矢のように質問が相次ぎました。当然ですね。懸命に署名を集め、大変な思いをして提出した条例案を否決した”張本人”が目の前にやってきたわけですから……。
そうした質問一つ一つに、精いっぱい誠意を込めてお答えしました。真剣に原発問題に取り組んでおられる方々だから、きっと思いは通じるはず、そんな気持ちで話をいたしました。
そして、公明党の中でも意見が割れていたこと、泣きながら訴える議員がいたことなどを伝えながら、「原発に依存しない社会という目的に進むことは一致しています。ただ、エネルギー政策を決めるのは国と東電と立地県。いくら電力の消費地で東電の筆頭株主である都が意見を言っても、それに拘束力はありません。都民の投票結果が反映されるものであれば実行する余地はありますが、そうでなければ国が選択を行うべきだと考えます」と話しました。
最初は厳しい表情を向けていた方々も、次第に理解をしてくださったように感じました。

◆原発ゼロ社会を目指す

栗林のり子は「原発ゼロ社会」の実現を目指します。これを政策ビジョン・夢プロジェクトIIの第一に掲げました。まず今やれることから全力で取り組みます。具体的には、高効率火力発電所の設置や太陽光・熱・風力など再生可能エネルギーの推進です。2020年に東京都の再生エネ率を20%に高めます。

その上で、原発の再稼働をめぐる安全性の問題。これは9月に発足した原子力規制委員会に安全基準の作成が委ねられていますが、都民の皆さまとともに厳しく監視していきたいと思います。また、使用済み核燃料の最終処分場、再処理技術の維持やプルトニウムの管理など、原発ゼロに向けて山積する課題について、都民の皆さまとさまざま意見を交換しながら、子どもたちの未来を守るために力強く進んでまいります。


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